少し前から、木曽に住んでいる事や、その他色々なきっかけもあって、島崎藤村の「夜明け前」を読み始め、先日読み終わりました。一大長編歴史小説であり、今の感覚では若干冗長とも思われ、読み切るのも大変でしたが、登場する地元の地名や人名に親近感もあった事から面白く読めました。
幕末から明治維新への体制・社会の激変やそれが庶民の精神にも大きく影響した事が、主人公半蔵を通して描かれていると同時に、理想と現実のギャップに苦悩する姿は、今にも通じるものと感じ、さすが近代日本文学の傑作と言われるだけの事はあると思いました。
その半蔵は、中山道を何度も往来する訳ですが、私の住む木曽町福島の代官所への出頭や、御嶽へ山籠りなどの為、身近な場所を通ったと思うと、その足跡を辿ってみたくなるのも、まあ自然な事でしょう。さらにその中山道で江戸まで数回歩いたとなると、中山道そのものへの興味へ発展したのも自分の中では自然な流れとなっています。
そこで、現存する旧中山道を調べてみると、思いのほか保存されていて、東京から京都まで徒歩での踏破もほぼ可能で、実際に踏破されている方も多くいらっしゃる事も分かりました。そうなると自分もやってみたいという思いを強くしました。
連続踏破は、時間的・体力的にも難しいので、まずは長野県内を部分的に攻めて行く事を考え、下見の観点で、馬籠・妻籠・上松・木曽福島・塩尻・下諏訪・和田峠辺りまで車で行ってみました。すると、今までも訪れた事のある土地でも、中山道を見つけ半蔵や当時の旅人の目線を意識して見る事で、新たな発見がたくさんありました。
これから寒くなって峠道等の通行は少々厳しくなるので、体力作りや更なる調査等もすすめ、来春から本格的に中山道歩きを始めようと思っています。その様子もSNSの方にもアップして行きますので、ご覧いただければありがたいです。また、中山道を愛する先輩たちや興味を持った方々とも繋がりたいとも思っています。